島民より猫の数の方が多い猫の島 深島ってどんな島?
- 猫の島 深島って?
- 深島猫が素晴らしい理由
- 地域猫の成功例
- 増やさないことで全ての猫を幸せに
- 深島の猫は「島ねこ」
- 深島に行ったらお金を落として来よう
- 深島ねこ図鑑発売中!
- 深島にゃんこクラブ発足!
- 寄付・物資送付・ふるさと納税で深島ねこを応援!
- 理想の地域猫の第一歩を踏み出したところ
猫の島 深島って?
猫と海が有名
福島は大分県佐伯市の離島。
周囲4kmの小さな島でかつては200人ほどの住民が住んでいましたが、現在の島民は18人。
美しい海と珊瑚が有名で、ダイビングは人気です。
近年は猫の島としても有名。
島民の数よりも多い約100匹の猫が住んでいます。
深島猫が素晴らしい理由
猫島として知られている所は何か所かありますが、その中でも深島の猫たちは、全島民に見守られており、島民によってエサの管理や健康管理が進められています。
100匹の猫にみんな名前がついている!
島に何匹の猫がいるかちゃんと把握されていて、全員に名前が付いています。
猫の島と呼ばれるところは他にもありますが、このようなところは他にはないでしょう。
ある程度の数を把握し、有名な猫ちゃんには名前が付いていて人気な場合がありますが、島にいる全部の猫を把握している例は深島以外知りません。
100匹の猫たちに全部名前をつけて世話をするようになる以前から、島民の方々は自分たちそれぞれでキャットフードを買ってくるなどできる限りのお世話をしてきたそうです。
現在でも島民が中心となり佐伯市観光協会やボランティアさんが協力して猫たちの面倒を見ています。
地域猫の成功例
深島でもすべての猫を把握してお世話するようになったのはごく最近のことなので、これからを見守ってていき、協力していくことが必要なのですが、地域猫の素晴らしい成功例と言えるのではないでしょうか。
きちんと管理されている例は少ない
猫の島として有名な島は何箇所かありますが、深島ほどきちんと管理されているところはありません。
それぞれに心を砕いているボランティアさんや協力している方々はいるのですが、やはりお世話が行き届かないのが現実です。
私の知人も猫島として有名なある島の出身ですが、有名な猫たちが可愛がられているという裏で、人知れずたくさんの猫たちが死んでいるという現実があるそうです。
避妊去勢をして数を抑制する、十分な食事の確保、健康管理などをしなければ、猫の島と呼ばれる島の猫であっても幸せに暮らすことはできないでしょう。
最近では猫の島と呼ばれる島の住民が猫を毒殺するという事件も起きています。
島民の間でも不協和音が起きている場所もあるのです。
一方、深島では全島民が協力して猫を可愛がっているという点でも非常に、ありえないほど理想的です。
増え続ける猫に苦悩
私は、深島は稀有な地域猫の成功例だと思っていますが、ここに到達するまでには様々な苦労もあったようです。
深島も以前は増え続ける猫に対して島民は当時15人で、しかもほとんどが高齢の方。
このまま猫の数が増え続けると猫の面倒を十分に見てあげられないと心配していたそうです。
心配はしていても、100匹以上の猫をなんとかするのは難しいもの。
私は保護活動をしており、10匹の置き去りにされた猫の保護を丸投げされたことがありますが、10匹だって全然簡単ではありませんでした。
有名な猫だけではなく、島の猫全体のことを考えていることは素晴らしいと思います。
原因不明の大量死
そんな中、このままではダメだと奮起せざるを得ない事件が起きます。
2019年1月に感染症と思われる病気で200匹いた猫たちが半減以下の80匹にまで減ってしまったのです。
なんの伝染病だったかわかっていないようですが、パルボウィルス感染症のような感染力と致死率が高い病気だった可能性が高いでしょう。
猫のパルボウィルス感染症は猫しか感染しないのですが(犬のパルボは犬だけ)、感染力は半端なく、一旦感染が広まると地域一帯の猫が死んでしまうとさえ言われています。
私も過去に何匹かパルボウィルス感染症にかかった子を保護したことがありますが、助かった子はいません。
治療法はなくワクチンを接種することが唯一の予防策です。
(猫たちの死因は、ウィルス性の風邪と細菌性の風邪からの肺炎だったそうです。
島の方から情報をいただきました。)
200匹の猫にワクチンを接種するなど無理な話です。
猫が多すぎて管理しきれず、猫を不幸にしてしまう・・・。
そこで、公益財団法人「どうぶつ基金」(兵庫県芦屋市)に相談し、島の猫に不妊手術を受けさせることに。
公益財団法人「どうぶつ基金」はTNR(捕獲(Trap)•不妊手術(Neuter)•元の場所に戻す(Return))を行なっている団体で、近年は大規模なTNRを行なって、猫の保護活動に寄与している団体です。
動物の公益財団法人って、有名無実というか、寄付は集めるけど使い方がなっていないとか、肩書きのある人を会長に迎えているけど何をやっているのか不明だったりとか、私の中ではろくな団体ではないことが多いのですが、その中で「どうぶつ基金」は実際に猫の保護活動を行い、効果を上げている団体だと思います。
ボランティアが申請すれば使える地域猫の不妊手術をの補助も行なっています。
私の場合、田舎すぎてこの補助金チケットを使える動物病院がないので使ったことがないのですが。
一斉避妊手術に踏み切る
この団体の力を借りて、2019年11月に深島の猫たちの一斉不妊手術が行われました。
佐伯市内や福岡、宮崎両県からの動物愛護ボランティア約30人も協力して、深島のすべての猫を捕獲して、手術を行なったのち、また元に住んでいた場所に戻されました。
様々な人が協力して3日間でこれをやり遂げたのです。
これを知った時、すごく感動しました。
日本でこんなに大掛かりな保護活動が行われるなど、少し前までは思いもしないことでした。
海外の動物愛護精神の高い国ではボランティアのみならず、行政が協力していることが珍しくありません。
イギリスには王立の団体がありますし、カナダには州政府から権限を委譲されている団体もあります。
そのため、資金も豊富。
個人の寄付だけではなく、行政の資金、そして企業が寄付を行います。
それに比べると日本の団体は脆弱です。
どうぶつ基金は日本ではかなり大きな力のある団体ですが、海外のような権限や資金源は持っていないでしょう。
それでも、深島の不妊手術をやり遂げたという点が素晴らしい。
そして、地域猫活動というのはそこに住んでいる地域の人が協力してくれないとできない活動です。
私も地域猫にできないかという相談をされたことがありますが、他の住民が一切協力する気がなく、子猫を保護するのみでその地域全体の地域猫活動まで到達することはできませんでした。
数匹を不妊手術しただけでは効果は薄いのです。
深島は、地域の住民の協力があったこと、猫の数は多かったが島という限られた場所だったこと、どうぶつ基金という力のある団体が協力してくれたことが大きかったと思います。
増やさないことで全ての猫を幸せに
深島では猫たちに不妊手術を施し、数を増やさないことで猫たちを幸せにしようとしています。
もう子猫は生まれません。
一代限りの命です。
この一つの命を大切にすることで猫を幸せにしようとしています。
日本ではいまだに年間3万頭以上の猫が殺処分され、そのうち2万頭余りが子猫です。
生まれてきてすぐに殺されているのです。
これは環境省が把握している殺処分数ですから、実際にはもっともっと多いはずです。
いまだに捨て猫は少なくありませんから。
不妊手術をすれば、殺される子猫の数は減るはずです。
深島の猫は「島ねこ」
深島の猫たちはのら猫でも飼い猫でもない「島ねこ」。
誰かのおうちに飼われているのではありませんが、島民みんなでお世話をしている猫です。
そしてこの子たちは一代限りの命になりました。
最後まで幸せに生きられるように見守り、協力したいですね。
猫を見に行く時はルール厳守で
深島は猫の島としてもテレビに紹介されるなどして、有名になりました。
深島に猫を見に行くときにはルールを守りましょう。
猫の島とか猫寺とかには猫好きな人が集まるのですが、およそ猫好きな人とは思えない行動をとる嘆かわしい人もいます。
深島からのお願い
エサを持ってきていただくのはとってもありがたいのですが
ねこたちの健康管理と犯罪の防止のため
持ち込んだエサをあげることはご遠慮ください。
キャットフードもピンキリですし、ごはんとなるものはちゃんと総合栄養食でなければなりません。
猫が食べることができれば何でもいいわけではありません。
普段食べ慣れないものを食べると体調不良になります。
誰でもエサをあげていいことになると悪意がある人が猫に害を与えようとすることに利用される可能性もありますね。
深島に行くからには深島のルールを守りましょう。
また、猫が虐待に遭わないように注意してみて欲しいとのことです。
世の中にはねこ好きでない人もたくさんいて日本各地で虐待やイタズラが
おこっています。ねこたちと遊んでいるときに変なひと来ていないかな?
と気にしていただけると嬉しいです。
その他、
- 猫を追い掛け回さない
- 眠っている猫を起こして写真を撮ったりしない
- ゴミは持ち帰る
といった常識はもちろん守りましょう。
ルールを守らない人は真の猫好きではありません。
インスタ映えよりも猫が幸せであることを最優先する、それが真の猫好きです。
迷惑な猫好きにならないでくださいね。
深島の猫や島民を尊重することが大事
また深島の猫たちのことや猫を世話している島民の皆さんを尊重することを忘れないでください。
深島のネコは、「街ネコ」「飼いネコ」とは暮らす環境が違います。
島民が中心となり、エサの管理、体調管理などを行います。
島民の意思を尊重してもらえますようお願いします。
寄附したり、本を購入したからといって自分に意見を言う権利があるなどと思ってはダメです。
私も「寄付したんだからこうしろ」などと言われた経験がありますし、東日本大震災のときに猫の島と呼ばれている田代島が寄付金を募った際にも、自分の思いとおりにならないと罵詈雑言を吐く人がいました。
もっとこうしたらいいのにと思う気持ちもあるかもしれませんが、その地域により状況が違いますし、様々な事情があります。
実際に現場で頑張っている人に、いくら寄付したからといって、わがままや罵声を浴びせるようなことは決してしてはいけないと思います。
深島に行ったらお金を落として来よう
深島に落とすお金はまわりまわって猫が幸せになるお金です。
猫を保護している猫寺などに行っても、写真を撮るだけでおみくじ一つ購入しない人がいますが、そんなのダメですよ。
かわいい猫を見せてもらっているんだから、お礼の気持ちでお金を使ってきましょう。
結果、猫のためになります。
深島ねこ図鑑発売中!
1匹1匹名前がついた100匹の深島ねこたちが紹介されている本です!
「深島ねこ図鑑」の収益の一部が「深島ねこ基金」として、治療・避妊・去勢手術・エサなどの費用に充てられます
現在は残念ながら、ネットの申し込みなどはできないようです。
以下の販売所か佐伯市観光案内所に電話にて申し込みしてください。
≪販売場所≫
・佐伯市観光案内所
・佐伯市観光交流館
・深島食堂
・道の駅かまえ
・La vie douce
ネットショップで購入できます!
かわいいグッツもたくさん!
図鑑の詳細は詳細はこちら
深島にゃんこクラブ発足!
2020年5月25日に深島のニャンコを応援するクラブが発足!
deepblue-fukashima.jimdofree.com
支援金を送ることで深島の猫たちを幸せにするお手伝いができます!
支援金は、ねこたちのごはん代、医療費、環境整備にかかる費用、そのほか猫たちに関する活動に使われます。
寄付・物資送付・ふるさと納税で深島ねこを応援!
- 口座へ直接寄付金を送る
- Amazon欲しいものリストから支援する
- 楽天ROOMから支援する
- 名物「深島みそ」を買う
- ふるさと納税をする
など様々な支援ができますよ。
詳細はこちら
deepblue-fukashima.jimdofree.com
理想の地域猫の第一歩を踏み出したところ
全国の猫島は、島の猫が全て幸せに暮らしているわけではないのが実情です。
しかし、深島では島にいるすべての猫の面倒を見て、幸せに暮らせるよう努力しています。
まさに、理想の地域猫です。
まだ、第一歩を踏み出したばかりですので、この先、ずっと幸せな猫の島であり続けることができるように応援したいです。